曹洞宗について

曹洞宗は、禅の教えをよりどころに生きることを目指す坐禅をその教えの根本とし、只管打坐(しかんたざ)すなわち「ただひたすらに坐る」ことがその基本的姿勢です。
坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚することにあります。 そして坐禅の精神による行住坐臥(ぎょうじゅうざが)(「行」とは歩くこと、「住」とはとどまること、「坐」とは坐ること、「臥」とは寝ることで、生活すべてを指します。)の生活に安住し、お互いに安らかでおだやかな日々を送ることに、人間として生まれてきたこの世に価値を見いだしていこうというのです。
お釈迦さまをご本尊としてあおぎ、大本山永平寺をお開きになられた道元さまと大本山總持寺をお開きになられた瑩山さまを両祖として敬い、この「一仏両祖」の教えに照らされた信心の日常をつとめ、やすらかなる心で生きることを目指すのです。

 

歴史

 

曹洞宗の流れは、インドでお生まれになられたお釈迦さまの教え、おさとしを幾世代にも渡って祖師方が、悟りの生活を通して、師匠から弟子へと受け継がれ、インドから中国そして日本に伝えられてきたものです。
曹洞宗の源はお釈迦さまですから、ご本尊さまはお釈迦さまです。
そして、お釈迦さまの教えを日本に伝えられ、永平寺を開かれた道元禅師を「高祖」(こうそ)とあがめ、總持寺を開き、教えを全国に広められた道元さまから四代目の瑩山禅師を「太祖」(たいそ)と仰ぎ、このお二人の祖師を「両祖」と呼び、この三師を「一仏両祖」としてお祀りしお慕い申し上げ、信仰のまことをささげています。
拝む時は「南無釈迦牟尼仏」と、お唱えして礼拝します。
この道元禅師の精神は、その後をついだ永平寺二代の孤雲懐弉(こうん えじょう)禅師、永平寺三代で加賀(石川県)の大乗寺(だいじょうじ)を開かれた徹通義介(てっつう ぎかい)禅師を経て、その弟子瑩山禅師に受け継がれました。そして瑩山禅師のもとには、後に能登(石川県)の永光寺(ようこうじ)を継いだ明峰素哲(めいほう そてつ)禅師、總持寺を継いだ峨山韶碩(がさん じょうせき)禅師が出られ、その門下にも多くの優れた人材が輩出して、日本各地に曹洞禅が広まっていったのです。
特に今一つの中国禅宗の流れをくむ臨済宗(りんざいしゅう)が、幕府や貴族階級など、時の権力者の信仰を得たのに対し、曹洞宗は地方の豪族や一般民衆の帰依を受け、もっぱら地方へと教線を伸ばしていきました。
現在では、全国に約15,000の寺院と、1,200万人の檀信徒がおります。

 

二つの大本山

 

曹洞宗は福井県にある道元さまの永平寺と
横浜市にある瑩山さまの總持寺の二つの大本山をもっています。
永平寺と、總持寺を両大本山とお呼びします。

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永平寺 總持寺